好奇心の正体

私はわりかし好奇心が強い。

そんなふうに自覚したのはここ3〜4年のこと。

 

たとえば、

温泉では一通り全部のお湯につかってみたいし、

飲食店ではちょっと変わったメニューを頼んでみたくなるし、

パン屋さんを見れば、特にお腹もすいてないのに絶対寄り道しちゃうし、

目の前の坂道を登りきった景色がどんなふうか気になるし、

観光地では体力がある限り、なるべく様々な場所を回ろうとする。

キャンプとかに行くと、自由時間は森だの川だの散策するタイプ。

 

そのくせ、”スタバの新作出てるな〜美味しそうやな〜”と認識しつつも、

結局は、スターバックスラテか豆乳ラテに落ち着くし、

ドトールでは例外なく、毎回ミラノサンドBを頼んでしまう。

日々、刺激と安定を行き来している。

 

食べ物に関しては、ルーティンが多いかもしれない。

お気に入りが見つかれば、ずっと同じものでも特に困らない。

好きなものを食べるのは幸せだ。

 

 

小さい頃はこんなに好奇心旺盛じゃなかった。

というか、それを出しにくい家庭環境だった。

 

何か「やりたい!」と言うと大抵、

母親や祖母に「やめときなさい」と言われて育ったため、

いつの間にか自分の欲求に蓋をしてきてたんだと思う。

一体何が好きなのか、わからなくなった時期もあった。

  

だけど、結構負けず嫌いで根が頑固なので、

どうしてもやりたいことは、

泣いたり拗ねたり怒ったりしながら訴えて、許しを得てました。

 

 

今は自由に行きたいところへ行き、食べたいものを食べ、

着たいものを着て、寝たい時に眠る。

 

こう書いてみると、めちゃくちゃ幸せな生活してますね。

 

できるだけ色々なものを見聞きしたいし、

現場の空気を吸いたいし、人に会いたいと思う。

 

それはなぜかと考えてみたら、

心の琴線に触れるものを見逃したくないから、

という結論に行き着いた。

 

気になって入った路地で見つけた服屋さんのショーウインドウで、

かわいいワンピースに一目惚れするかもしれない。

 

ふいに目線をあげたところにある看板のグラフィックやコピーに、

心震わされるかもしれない。

 

フェスで特に目当てではなかったバンドが、

その日ものすごく心に触れる素敵なライブをして、

あっという間にファンになるかもしれない。

 

バイトで会ったおばちゃんに、

日本で肉じゃがが生まれた歴史と元祖レシピを教わって、

肉じゃがの見方が変わるかもしれない。

(これは実話です)

 

そういう偶然の出会いがとてもおもしろいと思う。

そして、その後に自分に訪れる、プラスの変化に魅力を感じる。

 

人から勧められるものも、極力触れてみるようにしてる。

 

自分が何に影響を受けて、良いと思うか全く予想がつかないから、

出会いを逃したくない。

 

公園行ったら鳩が日陰で休んでてほっこりした、

みたいな些細なものでもいいんです。

 

私という小さな世界が、ほんの少し輝く瞬間がおもしろい。

 

いつも好奇心を全面に出すほど心に余裕を持つのは簡単ではないけど、

小さな喜びに気づくためのアンテナは、

立てていたいなあと思います。